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さて、今日は何の日かご存知だろうか? 2月14日に行われる熱熱々な者はさらに熱くなり、寒い者はさらに寒くなる行事。 そう、バレンタインだ。 俺も今までそういった行事には無縁の日々だったのだが、今年はそうじゃない。 何しろ、家が騒がしいからだ。 一人部屋に残りベッドの上に寝転がる俺。 リビング・台所の方からはカチャカチャ混ぜる音と色々な声。 そう、萌えもん達がチョコレートを作ってるのだ。 色々心配ではあるが… ―――――――― ―――――― ―――― ―― 「――ま、ますたー…?」 …おっと、いつの間にか眠っていたらしい… 目を覚ますと、ヤジロンが立っていた。 「…ん、どうしたヤジロン…」 「あ、あのぉ……ば、ばれんたいんちょこを……」 ヤジロンの手にはお世辞にも綺麗とは言えない包装で包んだチョコレートがあった。 「ん、ありがと。」 くちゃくちゃになった包装紙を綺麗に取り、中のチョコを取り出す。 「それじゃ、いただきます。」 「…………(ごくり…」 ヤジロンがじっと見る中、口の中へ放り込む。 甘みのある彼女らしい味だ。 ほんわかした様な味が口の中でじわっと膨れ上がり、至福の時を提供してくれる。 「…あの…ますたー、どうですか…?」 「うん、とても甘くておいしいよ。」 「わぁっ…! よかったぁ!!」 笑顔が弾けるヤジロン。 「かなり甘く作ったね。」 「うんっ! 本を見ながらいっしょうけんめい作ったんですっ!!」 「なるほど…勉強やさんだな、ヤジロンは。」 「ますたー、だいすきっ!!」 ヤジロンが飛び込んできた。 …うん、そういう風に飛び込んできてくれるヤジロン、大好きだ。 ―――――――― ―――――― ―――― ―― コンコン…… 夕方近くに部屋のドアを叩く音。 「…どうぞ。」 「……失礼するぞ……」 ガチャリとドアを開けて入ってきたのはカイオーガである。 「…妾の住む地域ではこのような風習はなかったからな…些か納得いかんのじゃが……ほれ。」 カイオーガが恥らいながらもチョコレートを差し出す。 プレゼントのように綺麗に包まれたチョコレート。 「御嬢、ありがと。」 「……べ、別に例を言わんでもよい…余興で作っただけじゃからな。」 「…ん、そうか。」 包みを開け始める。すると、途端に…… 「そ、それじゃ妾は夕飯の支度をするからなっ…!」 慌てて部屋から出て行ってしまった。 「……? どうしたんだ一体……」 不審に思いながらもチョコを口にする。 ヤジロンのチョコとは正反対の、ビターチョコ。 大人の深き渋い味が口の中を突く。 「…うまいじゃないか……さては御嬢、上手くできたか不安だったんだな…」 後で、教えてやらないとな。 うまかったと。 ―――――――― ―――――― ―――― ―― 夜遅く。 もうそろそろ寝ようかという時。 ガチャリ。 ノックもせずに入ってきたのはウツボット。 「…ウツボットか。遅いじゃないか…」 「ふふ、寧ろ早いくらいですよ?」 ニッコリ笑うウツボット。さては日付が変わる直前に……まぁいいや。 「で、もちろん作ってたんだよな?」 「ええ、もちろん♪ ちょっと待ってね…………あった。」 ウツボットは服の中をまさぐり、袋に入ったチョコを取り出した。 「…お前何処に入れてんだよ…」 「私の体温で、微妙に溶けるくらいを保ってたのよ…♪」 …それ以前に、袋にべっとりついた液をなんとかしてくれ… 「…それじゃ、いただきます…」 少し不安になりつつも、口へ頬張る。 …ん? 不思議な味だ… ワインのようなアルコールを使ってるのはわかるけど… このちょっと酸味のあるのは何だ? 果物か…? 「ウツボット、このチョコに何を入れた?」 「ブルーベリーと、ラズベリーを加えてみたのよ、おいしいでしょ?」 意外だな。ウツボットが味に拘るとは……しかし何だ、まるで体が熱くなってくる衝動は…… …ハッ、まさか…!? 「…ウツボット、それ以外に、何を入れた……」 「あれ? わかっちゃいましたぁ?」 「……俺の体が異変を起こしてるんだが?」 「ふふ、実はぁ…私の液もたっぷり入ってますよ…♪」 …予感的中… 「マスター、バレンタインって異性がいちゃいちゃする日ですよね…?♪」 ウツボット、明らかに確信犯だ… …くっ、体が思うように…… 「さぁ、夜をたっぷり、味わいましょ? マスター…♪」 …さては…最初からこうするために、わざわざ夜にしたのか…… 「…っつ、ウツボット、謀ったな…!」 「ホワトデーなんて待ちきれませんもん…ほら、日付変わった今日が、マスターの私に対するホワイトデー…♪」 …だめだ、あまりの熱さに意識が遠くなりそうだ…… ウツボットが俺の上にまたがって…消化液を垂らして…… …俺、死ぬのかな……? 「ふふ、いただきまぁす…♪」
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マスター 以下ま フシギバナ 以下フ ピカチュウ 以下ピ 食事中の出来事 ピ「ま、ますたー!」 ま「ムムッ何か用かな」 フ「彼女に卑猥な事しようとしたら殺しますよますたー」 ま「どうしたんだピカチュウ。食事に媚薬でも入れられてたか?」 フ「卑猥です、妙に発想が卑猥です。マスター」 ま「世の中は荒んでるから何が起こっても不思議ではないんだよ、フシギバナ」 フ「トイレとかですよ、きっと」 ま「そうなのか?」 ピ「き、急にトイレに行きたくなったの!」 フ「ほらそうだったじゃないですか。それじゃあピカチュウこっちへ……ん?」 ああっ マスターの目が無駄に格好良くなってる! これはマスターが興奮してるしるしだ! この特徴からマスターは別名「マスター性癖ヤバッ」と呼ばれている! あの鋭い目から逃れられる萌えもんは一人もいないんだ……! さあ始まるぞマスターのリンチが! ゴスッ ガスッ ボコッ ザクッ ボオオオ ピピピピピ 十万ボルト! はっぱカッター! ~のぞきなんて最低だ!~ 休憩中 キャーーーー ま「どうしたんだ!?」 フ「あっ、マスター事件です」 ま「何があったんだギャロップ」 ギ「のぞきよマスター。誰かが私の水浴びシーンをのぞいていたの!」 皆「…………」 ま「なっ…違…俺じゃねえよ! 武器を構えるなよ! 確かに前科はあるけど…」 ギ「マスターは犯人じゃないわ。犯人は逃げる途中”グオー”と言っていたもの」 ま「グオーか…普通に考えたら犯人は野生の萌えもん…でも、 グレイトだよギャロップちゃんの一糸まとわぬ裸体は! ええ~~いオボンの実もういっちょ! の略かもしれない…」 フ「その線はないと思います。木の実を食べながらのぞきなんて犯罪史上例が在りません。真面目に考えて下さい」 ま「そうだな、すまなかった! 許せない事だもんなのぞきなんて! しかも捜査をかく乱するために、人のくせに萌えもんの鳴きマネまで残すなんて! 卑劣な奴だ! のぞきなんて最低で卑怯な行いだ!」 ドンッ(ふみつけ) ドンッ(ふみつけ) ドンッ(ふみつけ) ドンッ(ふみつけ) ほのおのうず!あちちちっゴスッごめボコッ俺がガスッ悪かったサクッあまりにもズパッ綺麗だったからつい! ギ(何で………普通に言ってくれないのよ!) 他(………ムカッ!) ギャアアアアアアアアアアアアアアア ~マスター最期の○○○~ フ「マスターから少し目を離した隙にハクリューのボールにこんな手紙が」 ハ「また何かするつもりかしら」 みんなへ 今日みんなのボールに入って襲ってやるぞ フフフフフフフフ ますた みんな(…………) フ「ちょっとボールに戻るわ(一応、掃除しておこう 他意はないわよ)」 ギ「私も用事思い出したわ(私の事、綺麗って言ってくれたし)」 ハ「私も戻る(私のボールに貼ってあったんだからきっと…)」 「私も」「私も」 ピ「……? 襲うって…戦うの?」 スタッ!(ますた参上音) ま「教えてあげるよ。それはね」 リーフブレード! かえんほうしゃ! りゅうのいかり!! ぎにゃあああああああああああああああ
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灯火山の頂上、温泉の地熱により熱風が充満する中。 渦巻く炎の嵐の中に主人公達はいた。 「我、眠りを妨げる者、許さじ」 嵐の中心には1匹の萌えもん。赤き炎を見に包みしその華麗な姿の彼女は彼らに対し、怒りを見せていた。 「……っ!」 「マスター……! 怖いっ!」 「ど、どうするの御主人様……!」 主人の足にしがみつくピッピとプリン。 「いいか、一箇所にいると一気にやられる可能性がある! まずはバラバラになれ!!」 『了解!』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― コトの始まりはピッピの持ちこんだ情報だった。 「ねぇマスター! 聞いて聞いて!!」 「ん?どうしたピッピ?」 「あのね、月の石があるって噂を聞いたの!!」 「月の石? ほぉ……で、何処にあるって?」 「えっと、ともしびやまのふもとにあるって!」 「灯火山……1の島か。なるほど……行ってみるか。」 こうして、一行は1の島へとやってきたわけだ。 灯火山から吹いてくる暖かい風がこの島を包み、年中温暖な気候である1の島。灯火温泉が有名な他、多くの萌えもんの生息場所でもある。 「いい所だなぁ。」 「日向ぼっこするには最適な所……ね。」 「にゅ、空気のいい場所なんだな~」 「なんだなぁ~」 「こういう所に来ると、走り回っちゃいたくなるなぁ!」 「むにゅう、気持ちよくて何だか眠たくなってきたの……」 「ねぇねぇ! 早く月の石探しに行こうよ!!」 「まぁまぁ、またとない機会なんだから温泉にでも入ってゆっくりしていかない?♪」 港から出て辺りの景色を見渡す主人。 腕を上に伸ばし伸びをするサンドパン。 空を見上げて無心になるヤドラン。 そわそわし放しのガーディ。 うとうとと頭を垂れそうなプリン。 早く見つけたいがために主人のズボンを引っ張るピッピ。 そしてマイペースなスピアー。 「そうだな、ここ最近連戦だったし、たまには観光気分で探すのもいいな。」 「え~! 早くしないとなくなっちゃうかもっ!!」 「……わかったわかった。それじゃあまず、月の石を手に入れてから観光するか。」 「わ~い!」 というわけで早速灯火山の麓にやってきた一行。 ピッピの話通りに山筋のなだらかな道を進む。 「あ、あった!!」 ピッピの指差す方に月の石はあった。 しかしちょっと崖から離れているので人間が行ける様なところではない。 「スピアー、取ってきてくれないか?」 「了解♪」 スピアーはある場所へ飛んでいき、楽々と月の石を持ち帰って来た。 「よし、これで2人とも進化することが出来るぞ。」 「わ~い!早く進化したいなぁ!!」 「私も私も!!」 キラキラ目を光らせる2人。 「まだまだ、進化したらそれ以上わざ覚えなくなっちゃうだろ? だから、その時までおあずけ。」 『え~!』 「早く進化できるように頑張らなくちゃいけないって事よ♪」 「そうそう、期待してるんだから。」 「……わかった!私、頑張る!!」 「アタシだって頑張るもん!!」 「それじゃ、用も終わったし温泉行くか。」 山から少し離れた所にある温泉は人間が使用する他、野生の萌えもんも入りに来るという有名所である。 一行が来た時はちょうど利用者が多い時間の合間だったのか、野生の萌えもんがちらほら見える程度でほぼ貸しきり状態だった。 「わ~い、一番乗り~!」 「あぁっ!私が一番になる~!!」 真っ先に温泉へと向かうピッピとプリン。 「おいおい、行くのはいいけど服はちゃんと畳んでおけよな……」 天然の温泉は絶好の癒しの場所であった。そのままの地形を保つために何層にも分かれており、小さい萌えもんにも配慮して底の浅い温泉もある。 野生の萌えもん達は最初警戒心を強めたが、襲ってこないとわかると気安く場所を開けた。 「むぅ~……」 ピッピがジロッとスピアーを見る。 「ん?どうしたの?」 「ないすばでーが羨ましいっ!!」 「つるーんでぺたーんってしてるから?」 プリンがからかう。 「つるぺたってゆーな! プリンだってつるぺたのくせに~!!」 「進化したらきっと大きくなるもーん♪」 「それならアタシだって!進化したらプリン以上になるんだからねっ!!」 「私の方が上っ!」 バシャンと水しぶきがあがる。 「わぁっ! やったなぁ~!! えいっ!!」 「ひゃっ! この~!!」 「ふふ、全く騒々しいんだから♪」 喧嘩しているものの随分と楽しそうである。 主人はそんな微笑ましい光景を目にしながら、ピッピ達とは違う場所の温泉に浸かっていた。 スピアーは所謂2人の保護者みたいな感じである。 ガーディはあっちの方で野生のポニータと何か話している。 タイプ一致なのか、それとも相手がポニータなのか、馬が合っているようだ。 ヤドランは……さっきから姿が見えない。 そしてサンドパンは、主人の横に寄り添って座っていた。 「どうだサンドパン? 日光浴と温泉、どっちが気持ちいい?」 「……どっちも。」 「そうか、ならよかった。」 主人が横を見ると、サンドパンは背丈1mの体で主人に寄りかかった。 「ねぇマスター。」 「ん?」 「私のこと、どう思ってる……?」 「どうって……俺の大切な仲間だ。」 「……それだけ?」 「それだけって……あぁ、じゃあ逆に聞こう。俺のこと、どう思ってる?」 「……! それは……私のこと大切にしてくれるマスターだと……」 サンドパンはもじもじし始めた。 やっぱりな、と主人は感じた。 「ほれ。」 「ひゃっ!?」 マスターはサンドパンの体を軽々と掴むと膝上に乗せた。 「な、何を……」 「髪、洗ってやろうか。」 「……あ……うん。よろしくお願い……」 主人が髪を流す。サンドパンは恥ずかしそうに俯きながら、主人が髪の毛を洗いやすくするようにする。 「……よし、終わr……!?」 突然、主人の股を水圧が襲った。 「にょ、変態ますたー! このすーぱーさぶまりん3号で撃退してやるにょ!」 「してやる~」 水面からヤドランが顔を見せた。なるほど、さっきまで姿が見えなかったのは潜っていたからか。 「こら! 水鉄砲は撃っちゃいけない所もあるんだ! 後でおしおきするぞ!!」 「わ~! ますたーの反撃だ~! にげるぞ~!」 「にげるぞ~」 「……全く。」 再び潜ってしまったヤドランを見て主人は溜め息をついた。 「……くすくす。」 「あ、笑ったな?」 「だって……面白いから……」 「笑った奴にはこうしてやる!」 「ひゃん! やめて……腰突かないで……そこ弱い……」 と、その時だった。 ドーンという大きな爆発と共に付近が揺れた。 「な、何だ!?」 明らかに何かの爆発する音だった。続けて2,3回、またも爆発音が響く。 「この音……」 「灯火山の方からか……! 行くぞ皆!」 一行は温泉から出ると、すぐさま灯火山へと向かった。 後編へ
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その日、セキエイ高原の雰囲気はおかしな空気で満ちていた。 「……あぁ?」 受付兼進行役をしている係員からの報告は、 いつものように煙草を咥えたマスターを不機嫌にするには十分すぎる内容だった。 その内容とは……。 ――― チャンピオンフィールドであるこの広場に人を見下した目をする男が入ってくる。 「四天王ってのも大した事ねぇのなぁ、はっはっはっはっ」 笑いながら歩くその後ろには傷だらけの萌えもん達が続いていた。 「……なるほど、報告の内容は正しかったようね。」 マスターの足を背もたれに座っていた私もさすがに立ち上がろうと……。 「座ってろ……。」 何をするつもりか知らないけれど、どうもあのトレーナーに怒り心頭のよう。 「……ほどほどにね。」 何をするのか判っている私は素直にそばにあるベンチ(マスターの手作りよ)に座る。 「ここのチャンピオンはモンスターに使われる馬鹿なマスターなのか?」 マスターの目がすぅっと細くなる。 「何でもいいや、ほらいくぜぇ!イワーク!」 構えもしないマスターに傷だらけのイワークを差し向けるトレーナー。 「……外道が。」 煙草を捨てイワークに向かって歩き出したマスター。 ……こういう子供の指導は親の責任だと思うわ。 ――― 「……四天王のモンスターをそれぞれ1人ずつ殺害未遂、 自身のモンスターも回復すらせず、死ぬまで戦闘させる……。」 報告の内容はこれだった。 私はマスターの気迫が膨れる前に丁重に係員に戻ってもらった。 ……きっと倫理や常識の中でなんかで怒ってるんじゃないわね。 ――― 「イワーク!アイアンテールだ!マスターぶっ殺してモンスター引き釣り出すぞ!」 ……楽しそうに指示するもんだな。 躊躇いがちにアイアンテールを俺に繰り出す、こういう事は1度や2度でない様子だ。 「……ぬるい。」 迫りくるアイアンテールを掴み、イワークを投げ飛ばす。 「使えねぇイワークだな、次だ!ライチュウ!十万ボルト!」 このライチュウは恐らく何人も殺してる、暗い笑みで俺に技を撃ってくる。 「ば、化け物か?!」 この程度の輩に殺された人間や萌えもんが哀れに思える……。 ――― ……弾いた。 きっと私以外気付いてないのよねぇ。 十万ボルトを弾いたのは左手に持ったゴムべら。 料理に使うアレ。 「マスター、懸賞金かかってるわよ、そいつ。」 人間及び萌えもん殺害の常習犯。 「…………。」 無言でトレーナーの前にいた萌えもん5人を全員投げ飛ばしている。 投げ飛ばされた萌えもん達はみんな目を回してる。 「……根性直してこい、腐れ外道。」 相手のトレーナーは既に気を失っている。 目の前で直視したマスターの眼光と怒気で。 相手の頭を掴んだままセンターの方に歩いていくマスター。 既に怒りは収まったのかまた煙草を取り出して火をつけてたりする。 「……料理の邪魔なんかするから。」 殺人犯なんかどうでもいい。 萌えもんが殺されかけたのは多少頭にきているだろうけど、 マスターが料理している時は、基本的に受け付けも休憩時間となっているはず。 それを強引に押し入ってきた馬鹿のせいで料理を中断されたせい。 「凝り性だものねぇ……。」 近くにあった油揚げをつまみ鬼火であぶって食べながら、ため息をつくキュウコン。 そして今日もリーグ制覇者は現れないのでした。 ――― 後書き…。 もうなんか言い訳しか出てこないですね…。CAPRI
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登録日:2012/02/25(土) 12 33 18 更新日:2024/05/20 Mon 14 03 50NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 1998年 GB RPG もんすたあ★レース ウリラン、マジロン、トプスにウーニャ ガッツゲー ゲーム ゲームボーイ コーエー スーパーナビナビ ミックス モンスター育成ゲーム レース ローラースルーゴーゴー ワギャラにネジピィ、ヒーロンにサーラ ワタピィ、フワワ、サボテンテ、グーグ ワープ=チート 光栄20周年記念作品 良作 はしって かったものがつよい そんなモンスターたちを あつめ きそわせるレース モンスターレース だれのモンスターが いちばんはやいの? だい1かい ベリーベストカップから ちょうど 100ねん ことしも せかいいちをゆめみて たくさんのひとが パリスシティをめざす ★概要 コーエーが1998年3月6日に発売したゲームボーイ用のRPG。 後に、ライバル視点の「もんすたあ★レースおかわり」、おかわりの内容も収録したPS版、100年前を描いた続編「もんすたあ★レース2」が発売されている。 モンスターたちの互いに追いかけあう習性を利用した競技モンスターレースが盛んな世界。 レーサーたちは、最大6体のモンスター従える。第一走者が位置につき、「スタート!」の合図でレース開始。芝生、砂地、池など様々な地形を、それぞれ得意なモンスターに交代しながら、相手よりも早く、1秒でも早くゴールを目指す。モンスターたちはスタミナの限り前へと進む。レーサーは、交代、特技の指示を与えチームを勝利へ導く。 普通のレースはもちろん、互いのモンスターをめぐる「かけレース」、レコードを競う「くさレース」、各地で開催される「大会」など人々はレースに明け暮れる。 野生のモンスターを捕まえ育成し、6体のチームを作り各地のレーサーを相手に勝ち進んでいく。通信交換、通信対戦も完備。モンスターは100種類存在し、捕獲してアルバムを完成させることもこのゲームの目的の一つである。 …ぶっちゃけコーエー版ポk(ry ★モンスター関連 ◎地形適性とガッツ モンスターには草・石・水・氷・火・ジャンプ・バランスの7つの地形適性とガッツがあり、得意な地形→不得意な地形の順に☆、◎、○、△で表記される。 ガッツは地形の走りやすさではなく、○以上なら苦手な地形や、相手に追い抜かされている状態で速くなる。 ◎特技 自分の速さを一定時間上げる「ダッシュ」、相手の速さを一定時間下げる「のろいのろい」等レース中に使える特技を4つまで覚えることが出来る。レース中の発動は1体につき1回のみ。 ◎ステータス レベルとともに以下のステータスが上昇し、中には進化するモンスターもいる。 スタミナ: 走るために必要で、0になると速さがガタ落ちする。そのため、長距離に渡るレースでは交代が必須。 スピード: 平地、下り坂での速さに影響 パワー : 上り坂、沼、雪での速さに影響 おちつき: 交代指示を与えたときのブレーキの利きに影響する。高いほど早く交代できる。 ★キャラクター 主人公(デフォ名はレニー) モリソンタウン出身の小5。なりゆき的に世界一のレーサーを決める第100回ベリーベストカップ優勝を目指すことになる。 バッチ ライバル。セントシティ出身の小5。兄弟の生活費ためにレースで稼いでいる。 後のMC版『もんすたあ★レースおかわり』では主人公に昇格。 シンディ 世界的スーパーアイドル。今作ヒロインの小5。マネージャーうぜぇ。 フアンとはいえ他人が作った「元気の出る薬」とやらを「いただきまーす」しちゃう心配な娘。 ベニオ 夢は世界征服な厨二病の高1。 彼の妹はそんな兄を止めるため主人公に兄を倒してもらおうとするのだが 妹「お願いです!ベニオにいちゃんを止めてください」 主 はい >いいえ 妹「ハ…ハー…ハーックショーン!」 妹「ごめんなさい…ちゃんと聞こえませんでした」 妹「お願いd(ry 」 以下はいと言うまでループ …なんだこの兄妹。 カッピー シンディヲタなピザ。もはやストーカーであり、薬もって拉致るなど危ない奴。 シンディとの結婚をかけて主人公と戦う。 ★ミックス モンスター2体をミックスして新たなモンスター1体にすること。通信ケーブルを介した通信ミックスもある。 「ウェルカム! ジス イズ ミックスや!」 「キャン アイ ヘルプ ユー? ミックスしにきたのカーイ?」といった感じの陽気なミキサーがいる。 某人気ゲームの影響をかなり受けていると思われるが、一部では隠れた名作といわれている。 「ウェルカム! ジス イズ こうもく オブ もんすたあ★レース!」 「キャン ユー ヘルプ ミー?」 「追記・修正しにきてくれたのカーイ?」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] これ後にモンスターレーサーとしてリメイクしたっけ? -- 名無しさん (2014-06-25 06 06 56) ↑リメイクじゃなくて新作ね。 結局成功したとはいえないけど… -- 名無しさん (2014-06-25 10 07 34) アプリゲームでリメイクを! -- 名無しさん (2014-06-25 12 17 50) ツバサ、フワワン、ハネムササなどケモナーの心をくすぐるマスコット的可愛さを振りまくキャラが多くて好き。 -- 名無しさん (2014-06-25 12 35 25) ↑×3 モンスターの種類を激減、加えて過去作のモンスターは数種類しか登場してない上進化すら出来ない状態。しかもよりによって看板モンスターのウリランをリストラして進化前のウリラを続投した理由がわからない。ポケモンでいうならピカチュウ外してピチュー入れるようなものだよな。ゲーム自体はわりと面白いのに…… -- 名無しさん (2015-01-14 10 27 51) 久しぶりに遊びたいけど媒体が無さすぎてかなC -- 名無しさん (2023-01-25 20 00 07) ↑PSでいいんじゃないの。ソフト一本でもんすたあもコンプリートできるぞ -- 名無しさん (2023-10-12 15 35 25) 後にテクモと併合されてからはモンスターファームの方がメジャーな為か見向きもされなくなって悲しい -- 名無しさん (2024-05-20 11 45 25) 懐かしいゲームでつい記事を開いてしまった。当時多かったポ○モン的なゲームではあるんだけど、独特のシステムで面白かったな。ツノスターがカッコよくて好きだった。ただ、アルバムコンプ難易度は高かったな。ウリラン、トプス、ノコノコの御三家はもちろん、チュートリアルで手に入るウィンリュウとワタピイとか三種に分岐ミックスできるミリュンみたいな通信必須要素がすごく多かった。しかもそれら希少種同士のミックス体を更にミックス素材にする必要がある個体も割りといた。 -- 名無しさん (2024-05-20 11 55 40) もうキャラデザの手間を省くべくモンスターファームのモンスター走らせてリメイクしてほしい -- 名無しさん (2024-05-20 14 03 50) 名前 コメント
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第三作 全編 だぁら、長いんだって、長いorz いい加減筆者は自重したほうがいいと思う。 ↓気にせず本編ですどーぞ↓ -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 全体的にごつごつしているその建物内部は、まるで洞窟の様である。 天井からは人工の明かりが降り注いでいるが、建物に入った瞬間、 そこはオツキミ山の一角を髣髴とさせる。 ニビシティ、もえもんジム。 そこのバトルフィールドに立つのは、赤い帽子の少年。 そして、ウォーミングアップを済ませて軽く汗をかいている萌えもんが一人。 「あ~あ、ここの照明少しきついんじゃなぁい?余計に汗、かいちゃったわ。」 文句を垂れるのは前哨戦を終えて余裕の表情を浮かべる猫娘、ペルシアン。 「よくやった、ぺるこ。後で風呂に入れてやる。」 「次はジェットバスでゆったり広いお風呂がいいわぁ。 あ、今流行のアロマミストもいいかも。」 「贅沢言うな。これでもきついんだ。」 主従関係に影響しているわけではないが、ぺるこは風呂に対するこだわりを 毎日のごとくご主人に主張し続けている。 とことん綺麗好きなぺるこは、一日の汚れを洗い流す風呂に対して 一種の儀式的、宗教的な何かとイコールして独自の方程式を築き上げている。 彼女曰く、「お風呂の神様は、いる!」…との事。 どこまで本気かわからない彼女の態度ではあるが、風呂に入るということは 彼女にとって当然のルーチン、必然の事象、整然としたアイデンティティなのである。 「つ、強い……なんてやつだ!」 彼らに対峙した不運の男は、その圧倒的な強さに愕然とした。 ニビシティに訪れるトレーナーには強弱様々な人間がいるが、これほど強烈な インプレッションを与える人間はそう多くない。 もしかしたらチャンピオンの器――そんな事でさえも容易にこなしそうな 実力を秘めているのかもしれない。 「さて、前座は終わった。いい加減その重そうな腰を上げてもらおうか。」 少年は言い放った。その対象は、今戦った男の奥。 戦場からひとたび離れた場所に陣を置く総大将に対してである。 「フッ…どうやらカスミの言っていたことは出鱈目ではなかったようだな。」 カスミからの連絡を一足先に受けていたタケシではあったが… たった一人の萌えもんで挑まれ負けた――そんなこと、ジム戦でありえることなのだろうか? 半信半疑だったその報告は、たった今全幅の信頼に値する忠告であったと理解した。 「いいだろう、次はオレが相手をしてやる。」 しかしそれでも負けるつもりで立ち向かうわけはない。 胡座をかいて高台に陣取っていたタケシはついに立ち上がり、巨石が転がるような ゆっくりとした足取りで戦場へ降りてきた。 「うちのジムの公式戦はシングルバトルだ。もえもんの数にも制限はない。 カスミの時は残念だったようだが、オレに勝ったらバッジをやろう。」 「バッジ?…そんなものに興味はない。」 「どうかな?おまえの実力であればもえもんリーグの上位に食い込める。 そんな栄光におまえほどの実力者が興味が無いと言い切れるわけがないだろう!!」 タケシは憤激した。まるで強さを持て余している彼を断罪するかのように。 「まぁいい。どちらにしろ俺はジムリーダーだ。バッジを懸けた公式戦以外で戦うつもりはない。 おまえが要らないといっても無理やりポケットに押し込んでやる。」 「まぁ……どっちでもいいか。早く始めようぜ。」 「いい度胸だ。行くぞ!ゴロミ、出番だ!来い!!」 ボールを手に取り大きく振りかぶるタケシ。 モーションの後、彼の放ったボールは勢いよく宙を舞った。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 俺はニビシティで有力な情報を聞いた。 ニビシティのもえもんジム、リーダーのタケシが操る萌えもんは ロングテールの美人らしい。 ロングテール……そう、あの忌まわしいギャラドスの容姿を俺は思い浮かべた。 肩から腰あたりまでに結ったツインのロングテール。 あの凶悪な悪女を俺は美人と決して認めないが、これは俺の主観というものであろう。 だが「ロングテール」というのはどうか。 これは万人共通した情報ではないだろうか? 間違いない… 少女の情報を聞けなかったのは残念だが、おそらくギャラドスを操っているタケシならば 絶対に情報を握っているはずだ! 「今回も空振りの予感がするわ~。これ女の勘なんだけどねぇ。」 ぺるこはそんなことを言っているが、動かないことには意味がないのだ。 だったら、真実を突き止めるまでは俺は立ち止まるわけにはいかないんだ―― 気がついたら、俺はニビシティのジムの扉の前に立っていた。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「それ!それそれそれ!どうしたそれで終わりか!?」 タケシの先鋒、ゴローンのゴロミは岩タイプの萌えもん。力も相当あるようで 自身のふたまわりは大きいであろう岩でさえも片手で投げる。 「くっ…戦場の使い方がうまいわね。岩場に隠れたかと思ったら岩を使った牽制攻撃。 ふふ、なかなかのテクニシャンね♪で・も」 ぺるこは劣勢に見て取れるが、本人の表情からはとてもそんな片鱗は伺えない。 ――ゴロミの攻撃はワンパターン戦法になりがちのようだ。 彼女の攻撃を見切りつつあるぺるこは、相手の規則的なテンポにあわせ戦場で踊る。 無邪気にじゃれる猫のように自由に、着飾ったドレスを乱して踊る貴族のように優雅に、 ゴロミの投げる岩をかわし続ける。 「この…へな猪口な動きしやがって!」 そろそろ焦りをおぼえ始めたゴロミに対して、少年は熟した機会を見逃さなかった。 「ぺるこ、今だ仕掛けろ。」 「了解にゃん♪」 ぺるこは相手を討ち取る作戦を展開し始めた。 ぶん……っ! ゴロミは集中力が欠落した刹那を狙われたか、ぺるこの体が何重にもぼやけるのを感じた。 「!?な…」 ――幻覚だったのか?いや、違う! 次にゴロミが見た光景は何人ものぺるこだった。 それぞれがランダムに散開し、戦場の岩場に隠れた。 まさに一瞬の隙を突いた陽動。これはわからない。 「落ち着くんだゴロミ!集中力が欠けているぞ!」 「く…イエス、マスター!」 マスターの言葉で落ち着きを取り戻すゴロミ。先ほどとは違って静寂が戦場を包む。 ――ふふ、狼狽したようね。こういう戦場はこっちも慣れてるのよ♪ ”かげぶんしん”で視界を翻弄させた隙に物陰に隠れる!これが”かげぶんしん”の真の戦術! ……ぺるこの戦法の基礎概念として、彼女にはある心得がある。 戦場では相手のリズムに合わせて踊る必要はない。自分のワルツに引き込んだほうの勝利である。 「ダンスの大会では課題の曲があるけど、戦場には自分の風しか導くものがないもの。」 とぺるこは語る。 それぞれ様々な考え方はあるだろう、勝利の方程式。 それをいち早く解き終えた者こそが、勝者なのである―― ・ ・ ・ ザシッ!! ぺるこの鋭利な爪が、ゴロミの硬い体を切り裂いた。 影から影へ移り行くぺるこの戦術に、ゴロミは終に施す術がなかった。 「な…なんだと…!私の…体に、そん…な…」 ドンッ…ズサッ… 膝が先に地をつき、まもなくゴロミの体は戦場に放り出された。 「戻れゴロミ…よくがんばった…」 タケシは彼女を労う事を忘れず、ボールの中へ回収した。 彼女が格納されたボールを愛でる様に丁重に扱いながら腰に戻す。 「ふ…強いな。」 傲慢とも臆病とも言えないタケシの言葉は赤い帽子の少年に向けて発せられた。 「だが、オマエ達の戦法はすでにわかった。次はこいつで相手をしよう。」 そう言ってタケシが構えたのは再びボール。二匹目の萌えもんのようだ。 ――ついに来るのか!? 少年の鼓動は速度を増した。ついにあのギャラドスとの対面かと思うと 胸が熱くなるのも仕方のない現象である。 「来い……!どんな相手でも俺は逃げはしない!」 そう、そのとき少年はこう言ったのだ。 ところが次の瞬間、この少年の発言はあまりにもあっさりと覆されることになる。 「行くぞ!お前の強さを見せ付けてやれ!!」 タケシがボールを宙に放った。 そのボールが描く放物線が、少年の目にはゆっくりとスローモーションのように描写される。 鼓動はさらに早まる。 ボールが降りてくる―― そして――その小さな球体の中から、現れたその姿―― 「…………………。」 形容しがたい静寂があたりを包む。 威風堂々としているのは、タケシ。 「どうだ、これが俺の最終兵器……」 タケシの最終兵器… すらりとした長身に、肩から腰まであるロングテール。たぶん美人。 少年が得た情報のとおり、彼が繰り出してきた萌えもんは… 「イワコだ。」 イワークだ。どっからどう見てもイワークだ。 「………。」 再び謎の静寂があたりを包む。 タケシは相変わらず仁王立ちのまま誇らしげに立ち尽くしている。 これほど激しい温度差があるのは、少年の周りの空気が冷え切っているせいだろう。 少年の重い口が、開かれる。その第一声は… 「………ギャラドスじゃない。」 あまりにも主人が不憫で目も当てられない、ぺるこ。 彼女の勘はどうやら的中したようだ。 あまりの鼓動の落差に眩暈を起こしそうなのは、少年である。 そんなわけで彼の取った行動はひとつだった。 「邪魔したな…。帰るぞ、ぺる」 「まてやーーーーーーーーーーーーーー!!」 一番納得がいかないのは当然、タケシである。 「試合の途中で相手に背を見せるとは、なんという臆病者か!」 別に少年の場合、臆病でもなんでもなかった。 ただひとつ、そこに目的がないというだけで、彼は先の発言も熱い戦いも忘れて 帰ろうとしているだけである。 「尻尾を巻いて逃げるとは男らしくないぞ!さぁ続きだ!戻れ!」 タケシは必死に暑苦しい漢の論理を少年に説く。 「悪いけど、俺の目的はすでに達した。俺の負けでいいから帰らせてくれ。」 食い下がることなく少年も自己のスタイルを主張する。 「ふ…悪いがどちらにしろおまえをこのまま帰らせるわけにはいかん。 ひとつ言い忘れていたんだがな…うちの公式戦のルールはな…」 タケシはそう言うと右手を振り上げた。それが合図か、イワークのイワコは構え、 直後、すばやい動きでぺるこに向かって駆け出した。 「デスマッチなんだよ!」 一気に間合いを詰めると、イワコはぺるこに向かってロングテールを振り回した―― -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「イワコ!さっきの戦いは何だ!相手が格下だからと手加減をしたな!」 タケシの叱責を受けるイワコ。その理由は、相手に対して手加減をした、ということだった。 「そういう油断が戦いの場で致命的なミスに繋がると俺は何度も言っているだろう?」 「はい…申し訳ありません…マスター。」 イワコはわかっていた。戦いの場で相手に手加減すること、それはタケシが一番嫌う愚行であることを。 「一度や二度ではないからな。 もうおまえも十分理解していると思うからこれ以上責めるつもりはないが…」 言いながら不意にタケシは右手を振り上げる。 イワコは本能的に察した。もう私はこのマスターにふさわしくないのだと。 マスターは決して悪くない。すべての罪は、この私にある―― だから、殴られて捨てられても、仕方がないのだと、その瞬間覚悟を決めた。 ――しかし、タケシの行動は全く違った。 頭に右手が触れた。叩かれたのではない。撫でられていた。 「…オレも相手の萌えもんが苦しそうにしていたのはわかってたさ。」 意表を突かれるマスターの行動に、イワコは狼狽した。 「……マスター?」 「世の中にはいろんなもえもんトレーナーがいる。…その中にはうまく萌えもんたちと心を通じ合わせる ことができず、苦しい思いをしている萌えもんがいるのはオレも承知しているさ。」 イワコはわざと負けようとしたのだ。何故なら、相手のトレーナーは萌えもんに厳しく当たり、 相手に倒されれば一方的に負けを責められ虐げられていたからだ。悲しいことである。 お人よしな性格のイワコには、例え戦いの場であろうともその優しさが刃を鈍らせることがある。 タケシはそんな彼女の性格をよく理解していた。そうだとしても彼は彼女をパートナーとして選んだのだ。 「だがそんな同情は一時の凌ぎにしか過ぎない。その時はよかったとしても、後になって さらに酷い苦痛が待っているだけだ。」 「マスター……。」 イワコは驚いた。同時に彼のことをすべて理解できていなかった自分を恥じた。 彼は別に他人の萌えもんのことをどうでもいいと思っているわけではなかったのだ。 「では…私は…どうすればいいのでしょうか。わからないですよ…」 ――私と同じだった。同じ事で悩んでいたんだ。 イワコの考えはマスターにも通じていた。彼女はそれが何よりも嬉しかった。 「…いいかイワコ。これは萌えもんたちだけの問題じゃないんだ。問題なのは萌えもんたちを操る人だ。」 そしてタケシはイワコの悩みに真摯に応えた。 「人が歪んでしまうのは、オレ達人間に責任がある。同時に歪んだ人自身にも、な。」 イワコから離れ天を仰ぎ、語りだすタケシ。 「オレ達は互いに学ばなければならない。萌えもんとの付き合い方を。 それに倣うのも善し、それに刺激されて改善するのもまた善し、だ。」 もとより細い目をさらに細めるタケシ。夜空の星をひとつひとつ数えるように。 「そうやっていいところをお互い吸収しあって、人は強くなっていくんだ。 そのためにはイワコ、おまえ達が相手に気づかせてやらないといけない。」 「……私達、が?」 「そうだ。戦いのスタイルがひとつに収束しないのならば考え方など人それぞれ。だからこそ…」 星を数えるのをやめたタケシは、再びイワコに向き直った。 「オレはどんな相手でも全力で立ち向かう。それがトレーナーとしてのオレの礼儀、信念、愛情なんだ――」 ……イワコは後日このときのマスターを、こう語る。 「私のマスターはあのお方以外に居ない。すべての生き物に対する愛に心を奪われた」と。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- ガキィィィィン!! イワコのアイアンテールがぺるこに直撃―― 「ぐぐ…ぐ、なんていう…バカ力かしら。」 ――してなかった。両の腕で懐をかばいなんとか致命傷は避けたものの… 「私は負けない!あなたのようなゆるい戦法では私の"全力"には及ばないわよ!!」 イワコの気合は他を圧倒するほどの覇気が含まれていた。 ――このままじゃ…さすがにまずいわね。困ったかしらん? ぺるこは横目でご主人の様子を伺う。ゴロミに通じたあの戦法は通じない。 相手のほうが速いからだ。 ――どうするの? 少年は冷静さを保ちながら、ぺるこに言った。 「もどれ、ぺるこ」 ――!! ぺるこは驚いた。 いつもはこの程度で引き下がるような戦い方はしない。まさかとは思うが… ぺるこの頭には、あるひとつの考えが浮かんだ。おそらくご主人様も同じ事を考えている。 そう思ったぺるこは、おとなしく主の命令に従った。 「なんだ、下げるのか?言っておくが、まだそいつが戦えるようならこの戦いは」 「何勘違いしてるんだ…」 少年は命令を撤回しない。だからといって逃げるわけでもない。 ならば何故、ぺるこを下げたのか。 答えは簡単である。 ……少年には、まだ策があったのだ。 「ぺるこはまだ戦えるが、一時的に"さげた"だけだ。」 少年はそういうと、腰のもえもんボールを手に取った。 「!! 何…!」 そう、少年の萌えもんはぺるこ一人ではなかった。 「頼むぜ…新入り!」 言い切るが早いか、言葉と同時に放ったボールはその姿を宙に披露した。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 夜空には満月が浮かんでいる。 山の頂まであと少しというところで、ぺるこが何かに気づいた。 「…ねぇ、ねぇご主人様!」 「…どうした?」 ぺるこに話しかけられて足を止める俺だが、ぺるこが何に高揚しているのかはわからない。 「もぉ~わからないの?この匂い、ひょっとしたらこの近くに……♪♪♪」 「あ、おい、どこ行くんだぺるこ!」 ・ ・ ・ オツキミ山、頂上付近。 ♪月よ、月よ~ 星降る夜に誘いたもれぇ~ 満ちた、時のぉぉ~ 世界を抱いてぇ~~ 歌声で満たされる星空。歌い主は気分よさそうに温泉に浸かりながら歌を口ずさんでいる。 「はぁぁ~…きもちいぃですぅ~。夜はこの温泉がベストスポットなのですぅ。」 そういうと歌い主は天を仰ぎ、両手の親指と人差し指で作った額縁に満月を添えた。 綺麗な満月だ。こんなにも月に近い場所で体を温められる場所はそうそうない。 余韻に浸っていると、遠くから誰かの声が聞こえた気がした。 「おやおや?誰かがこっちにやってくるのです!どうしましょう!?」 あわてて温泉から出ようとする歌い主。 しかし声の主の姿を捉えた瞬間、安堵の表情を浮かべた。 「にゃはっ♪温泉よぉ!やっぱり、女の鼻と勘は鋭いものねぇ♪」 「はぁぁ、萌えもんさんでしたか。驚かさないでくださいまし。」 「あらぁ?先客が居たのね。これは失礼したわ。」 先程あれほどはしゃいでいたぺるこであったが、先客を確認すると 瞬時に平静を装い何食わぬ顔で温泉に近づいた。 「ねぇ…私も入っていいかしら?」 歌い主に話しかけるぺるこ。 「もちろんなのですぅ。ここはぴくるだけのものではないのですぅ。 みんなで月を見ながら浸れればきっと楽しいのですぅ♪」 ぴくる…と自称する相手に了承をもらい、満足な表情を浮かべるぺるこ。 そして温泉に浸かろうとぺるこが服に手をかけ始めたそのとき―― 「おいぺるこ!どこまでいくつもりだ――」 彼の言葉は最後まで言い放たれる前に、ぴくるの悲鳴でかき消された。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「いやぁ~~~~~~~~っ!とぅっ!呼ばれて飛び出て!ぴくるの登場なのですぅ!!」 少年のボールから飛び出したのは、妖精――ピクシーのぴくるだった。 威勢良くライダーキックで登場した彼女は、どう見ても妖精っぽくはないが…… 「何…今度はピクシーだと!?」 これはカスミの情報にない。タケシは驚いた。 てっきりかの少年は一人のもえもんだけにこだわる人物だと思い込んでいたからだ。 「さぁさぁ!ぴくるにぶっ飛ばされたいのはどこのどいつですぅ!?」 気合は十分――ぴくるは腕を回したり屈伸をしたり準備運動に忙しい。 「ふ…次の相手は誰かと思えばピクシーですか。マスター!心配には及びません。」 対するイワコは相手が誰であろうと強気である。タケシの全幅の信頼を預かる彼女だ。 このカード…どちらに転んでもおかしくはなかった。 「任せたぞイワコ!先制して相手のペースを乱せ!」 「イエス、マスター!!」 ぴくるとの間合いを一気に詰めるイワコ。そして一撃必殺のテールがフレイルのように動く! ガシィィィィィィ!! 殺人テールは見事、ぴくるを捉えて会心の一撃を見舞った――はずだった。 しかし気付いたとき、よく見るとぴくるの体に当たる寸でのところで テールの軌道は空間の"何か"に阻まれているようだ。そう、 「!? リフレクターだと!?」 ぴくるのリフレクターは特殊である。時間帯によって持続時間が変動し、 月の満ち欠けによって強度が変わる。つまり満月の夜においてぴくるのリフレクターは 最大効力を発揮し、満月が前夜であったぴくるのそれは、今の時間においても持続時間こそ 劣るものの、強度においては最高のパフォーマンスを発揮していた。 すなわちイワコの放つアイアンテールのような瞬間的に与える物理打撃は、 "今の"ぴくるには、効かない―― 「くっ…莫迦な!?私のテールを受けきるバリアがあるなんて…!!」 ちなみに、月の力を使う彼女らの戦術形態においては、未だ解明されていない謎が多い。 そこに着目できる少年の千里眼こそ、現時点でもっとも驚愕な事実ではあるが―― 「さぁ次はこっちが仕掛ける番だ。ぴくる!コスモパワーを展開しろ。」 「はいですぅ!…はぁぁぁぁぁ~~~~、コスモパワー!展!開ぃぃぃぃぃぃ!!」 まぁ少年にはよくわからないまま彼女の力を持て余しているのだろう。 ともあれ、一気に戦場の風は、強さと方向を変えて吹き荒れた。 戦場はぴくるの夜空に、支配された―― -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 少年がようやくぴくるの機嫌を直したころには、彼の服はびしょ濡れになっていた。 仕方がないので少年も冷えた体を温めるために温泉に浸かる。 ここにもえもんトレーナー一人、その飼い猫娘一人、野生の妖精一人、 計三人が温泉に包まれるという間抜けで歪な構図が出来上がった。 「びっくりしたのですぅ。…まさかぺるこさんのご主人様だったなんて。」 「…俺に10回ほどお湯を引っ掛けてようやくわかってくれたか。」 「よかったわねご主人様、すぐそばに冷えた体を温める温泉があって。」 「だからその温泉の湯をかけられたんだろうが!」 ・ ・ ・ 「…そういえば、ここにはぴくるしか萌えもんはいないのかしらん?」 「それが…おかしいのですよ。いつもは満月の夜に、 一緒に温泉に入ってる仲間がいるんですけどぉ…」 …不自然な点はいくつかあった。野生のもえもん達がほとんど居ないのだ。 洞窟ならいたるところに居るといわれるズバットまで、ここに来てから見ていない。 少年はおかしく感じながらも、結局この山の頂上付近まで来てしまったのだ。 「気になるの?ご主人様?」 「気になるというか……何か前にもこんなことがあったような気が…する…。」 三年間も旅を続けていると、さすがにいろいろな場面に遭遇するだろう。 少年は思い起こしてみる。今までの旅の軌跡から似たようなケースがあったかどうか… 「あった…!」 「? 何がです?」 何の話だか全く把握できないのは、ぴくる。 「ぺるこ、昔どっかの森を通り過ぎるときに、黒い集団と出くわしたの、覚えているか?」 「う~ん…黒い集団ならしばしば見かけるから細かいことは覚えてないわよ?」 「…まぁいい。それで、その黒い集団は各地に赴いて何をやっていたか覚えているか?」 「何を……?――あっ!」 二人は顔を見合わせて互いの記憶を同期させた。 そう、このようなケースの場合、真っ先に起こすアクションはただ一つ。 野生の萌えもん消えるとき、あたりに黒い集団が居ないか探せ―― ・ ・ ・ 「見つけたのです悪党ども!!」 案の定、山を降りたふもとには、黒ずくめの集団がごっそりいた。 「あぁ?なんだおまえ。…なんだただの捕獲し損ねか。おい!」 黒ずくめの集団は最後の一匹を捕獲するための"作業"に入る。 一斉にぴくるに襲い掛かろうとしたそのとき、 一つの影が、満月の夜にゆらめいた。 「ぐぁっ!」 「ぎゃぁっ!」 「くそ!なんなんだ!?おい、寝てんじゃねぇ起きろ!」 黒ずくめの集団に向かって見えない刃が襲い掛かる。 ひとしきり集団を奇襲したその刃は、辺りに阿鼻叫喚を残して物陰に隠れた。 「よし、よくやったぺるこ。」 「こんなの朝飯前よ♪」 物陰に隠れた刃はご主人の懐におさまり事の顛末を見送った。 「…あとはぴくるに任せよう。」 一方のぴくるは、敵の送り出した最後の刺客を倒しきったところであった。 「ぐっ……」 「どうですか悪党ども!ぴくるの正義の前では、悪など無力なのですぅ! さぁ、ぴくるの仲間達を返してもらうのですぅ!!」 あれだけたくさんいた黒ずくめの集団も、統率を乱して混乱状態である。 「くそっ!撤退だ!撤退しろ!荷物は置いていけ!!」 ついに集団は一丸となって撤退の準備を始めた。 早いものは我先にと走り出し散開し始めている。 「逃がさないのですぅ!仲間を苦しめておいてただで済むと思わないことですぅ!」 仲間思いのぴくるは同胞を苦しめたものを決して許さない。 正義感の強いぴくるは自分の判断する「悪」を決して許さない。 月の妖精、ぴくるは満月の夜を台無しにする役者を決して許さない。 彼女の信じる道は、正義。座右の銘は、勧善懲悪。 「食らうのですぅ!ぴくるの超・必殺技!!」 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「コメット☆ぱ~~んち!!!」 ぴくるの溜めたコスモパワーが、彼女の右手に集まり、放たれる。 すっこぉぉぉぉぉ~~~~んっ!! 音こそ間抜けであるが、その拳の威力は凄まじいものであった。 鉄壁を誇るかのイワークの防御でさえいともたやすく貫き、 イワコをついに地に臥せたほどなのだから。 体中を駆け巡る衝撃の中、イワコの意識はゆっくりと体から引き剥がされ、そして開放された―― ・ ・ ・ 「素晴らしい戦いだったな。」 そう感想を漏らすのはたった今、打ち破られたジムの守護者、タケシ。 悔しさこそあるものの、その顔に後悔という言葉は全く似合わなかった。 少年に近づき、右手をかざす。 「………?」 「またいつか勝負してくれよ。」 その掌の上には、光り輝く、真新しいバッジが二つ。 鼠色のバッジと、青色のバッジ。 「バッジが…二つ?」 「グレーバッジとブルーバッジだ。ここと、あとハナダのジムの試練を乗り越えた証だ。」 「ハナダって…あのおてんば女の?」 その人称は聞き捨てならないと本人が食って掛かりそうな台詞であるが、幸いここに "おてんば女"はいない…しかし、彼女との決着はついていないはずだ。 そう思ったことが顔に出たのか、タケシは補足した。 「『次に会うときは容赦はしない』そうだ。用心しな、カスミはどんどん強くなるぞ。」 タケシは左の手で少年の右手を掴むと、その掌に二つのバッジを握らせた。 その上から両手で包み、感謝と再戦をその握手に誓う。 「…ああ、そうだ。おまえ、どうやらギャラドスなる萌えもんを探しているんだろ?」 「!!」 まずい、聞かれていたか?そう思った少年だったが、特に問題はないか、と懸念を払拭した。 どうやら彼はあの件に関して関係がなさそうだからだ。 「あれは凶悪な竜の遺伝子を持った萌えもんだ。竜使いといえば、ワタルというトレーナーが 竜タイプの萌えもんを従えている。探すとしたら彼に聞いたほうがいいだろう。」 「……!」 思わぬ収穫だった。これで真実にニ歩も三歩も近づけるだろう。少年はそう確信した。 「そいつはどこにいるんだ!?」 「もえもんリーグ最高峰、セキエイ高原のリーグ覇者を待ち構える四天王の一人だ。」 四天王――その言葉は初耳であったが、聞いた感じでは思ったように簡単には会えないようだ。 少年は、その道のりは長くとも旅の終わりに鼓動を早まらせた。 「バッジを八つ集めろ。そうすれば自ずと道は開かれる。 俺はお前の事情はよく知らないが、お前なら実現できるだろう。」 タケシはそう言った。そこにはタケシなりの思惑も混じっているのだろう。 「…………。」 それでも少年は、数少ない情報の提供に感謝しつつ、タケシに背を向けた。 「待ってくれ。」 タケシは少年を呼び止める。 「お前の名前を教えてくれ。戦ってきた英雄達の名前は記憶しておきたいんだ。」 そう、名前。これだけ強いトレーナーに出会えて名前も知らないじゃ勿体無い。 しかしタケシの質問に対し、少年は微笑を浮かべて振り向き答えた。 「名乗るほどの者でもない。"少年"でいいよ。」 ・ ・ ・ 「なぁ、ぺるこ。」 「なぁに?ご主人様♪」 主人の膝枕で頭の毛繕いをしてもらっているぺるこは、すこぶる上機嫌である。 「俺の名前って、何だったっけな?」 「ご主人様の名前ねぇ…。………? ずっと"ご主人様"だから覚えてないわぁ。」 「だよな。」 苦笑する少年。丘の上には優しい風が吹いている。 「あらら?なんですかぁ?ぺるこさんはあまえんぼうさんですぅ。」 「うふふ、スキンシップよこれは♪それよりもぴくるはどうするのこれから。」 「もちろん、正義の名の下に"ご主人様"の悪党退治に協力するのですぅ!」 「ちょっと、なんで貴方までご主人様のことご主人様って言うの!?」 「今日からぴくるのマスターだからですぅ♪」 「だったらマスターでいいじゃないの!ご主人様のことをご主人様って言うのは、 私だけの特権なの、と・っ・け・ん!」 「…頼むから二人とも静かにしてくれ。」 この一本杉の下で休憩した後、少年は再び旅に出るだろう。 そんな彼の胸元では、二つのバッジが太陽の光を映し放っていた。 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 【設定集】 ◇登場人物 少年過酷な運命を辿る少年。たった三年ほどで自分の名前を忘れる"ドわすれ"の達人。 ぺるこ少年の飼い猫娘。一騎当千の実力者だが、その強さの源は少年と同じく、不明。 ぴくる今回は大活躍した月の妖精ピクシー。名前の由来はもちろん……? タケシ生物を愛でる自然愛護の心に満ち溢れた男。彼の信念は岩のように固い。 ゴロミタケシのゴローン。彼ならこんな名前を平気でつけてしまうでしょうきっと。 イワコタケシのイワーク。長身で見た目怖そうだが、実は超がつくほどのお人よし。 カスミ前々回少年と戦って、前回再特訓を決意する。今回未登場。 ワタル名前だけ登場。もえもんリーグ挑戦者を待ち構える最後の四天王。 ◇時系列 一応原作の2~3年後をイメージしています。が、ロケット団の関わりは殆ど未解決という設定。 カスミは少し大人になって、エリカはさらにおねぇさまになって、ナツメはおb(はかいこうせん ◇謎の黒ずくめの集団 今のところ謎の集団。こいつらの関わりが重要になってきそうです。そろそろ丁寧に扱わないと; ◇よくわからなかった人にもわかる話の流れ産業 オツキミやまで黒い集団をフルボッコ ↓ タケシの使う萌えもんにギャラドスがいる!? ↓ いなかった。ワタルが竜についてくわしい ←いまここ ここまで読んでくれた方ありがとうございます。 いかがだったでしょうか?ご感想があればぜひともお願いします。
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「ふぅ。この辺の萌えもんのデータは大体取れたかな」 萌えもん図鑑を見て、確認する。 「あら、もう終わったの?」 「うん。まだわかんないけど…一回休憩かな」 「じゃあ向こうの川で泳いでこようかしら」 「べつにかまわないよ。行っておいで、カメックス」 「なにいってんのよ。マスターも来るの!」 「ええ~。しょうがな…『いやああああああああああ!!』」 「今のって…」 「カメックス、一回ボールに戻って!ピジョット!飛んで!」 悲鳴が聞こえたのは……西側か! 「西側に急いで!」 「わかってるよ!」 「これは……」 「うっ…ひどいことするね…」 そこにいたのはザングースが2人。 どっちもひどく血がでている。 「…!マスター!この子達まだ生きてる!」 「何だって?!でもここからだと…いやまずは止血だ!ピジョット、カメックス手伝って!」 「わかってるわよ!」「これ使っていいかい?」 止血したあとその2人をボールにいれて、萌えもんセンターまで飛ぶ。 その後の治療でなんとか助かったけど、かなりぎりぎりだったらしい。 2人が倒れてるのを見かけてから2日後のこと… 「う…ここは…?」 「あ、気がついたみたいだね」 「あれ…俺…生きて…る…」 「うん。ちゃんと生きてるよ。そっちの小さい娘も」 「チビも無事だったのか…。よかった…」 「君らが無事でよかったよ。とりあえず…」 「そうだ!あいつがいねえ!おいあんた!もう1人は!?もう1人ザングースが居ただろう!?」 「ちょっと落ち着いて。僕が来たときには君ら2人しか居なかったよ」 「な…!そんなはずはねぇ!俺たちは3人だったんだ!あいつだけ居なかったなんてことあるわけ…」 ばしゃん!とザングースの顔に水がかかる。 「男のくせにだらしないわねぇ。少し頭を冷やしなさい」 「カメックス。相手は怪我人だからね?とりあえず、そのときの状況を教えてくれないかな?」 ザングースはそのときの様子を事細かに説明した。 説明してる間に落ち着きを取り戻したのか、最初は怒鳴っていたのが落ち着いてきたようだ。 「なるほど…。じゃあ君はそいつに連れてかれたと思ってるんだね?」 「そうじゃなきゃほかに何があるんだよ」 「う~ん。情けをかけてもらって助かった…とか?」 「それこそないだろ。あいつは確実に殺す目をしてたぜ」 「そうなのかい?」 「絶対そうだ」 「だったら僕たちと一緒にこないかい?」 「は?なにいってんだ?」 「さっき言いそびれたけど君ら2人とも僕が捕まえたことになってるんだよね」 「な!?そんなこと聞いてないぞ!?」 「しょうがないじゃない。マスターが言おうとしたらあんたが怒鳴ってたんだから」 「ぐ…。そういうことなら仕方ないか…」 「どうする?僕たちとくるかい?それとももと居たところに帰るかい?」 「…あたしは行きます」 「チビ!?起きてたのか?」 「あれだけうるさかったら起きますよぅ」 うんうんとうなずくカメックス。君もさわがしかったよ? 「しょうがねえ。チビを1人にするのもかわいそうだからな、ついてってやるよ。ただし…」 「うん。ちゃんともう1人のザングースをさがすよ。これからよろしくね。 「ああ、こっちこそな」 「ところでさ」 「どうしたんだい。カメックス」 「『どうする?』ってやつ。もしかして…」 「だれかさんのがうつったみたいだね。彼は元気かな…」 「元気なんじゃない?カラカラたちもさ」 「うん。そうだといいね」 ~後書き~ ザングースの兄さんたちがかわいそう過ぎて思わず書いた。 途中、今までになく読みづらいと思うんだorz 次は見やすいようにしようと思う。 じゃあ、今回はこれで~
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前回のあらすじ やっと冒険ハジマタ\(^o^)/ さてさて、やっとのこと本格的にはじまった俺達の旅。 この先何があるのか、どんなフラグが待っているのか楽しみで仕方がない。 萌えもん捕まえてハーレムだぜうひゃひゃひゃひゃひゃひゃwww ちなみにシゲルの家によったところシゲルの姉のナナミさんは 快くタウンマップを貸してくれますたw なんでこうも姉弟で似てないんだろうね? 優しいな姉をもったシゲルに嫉妬。 フシギダネ「マスターご機嫌ですねー」 マスター「そりゃもう。これからのこと考えるとわくわくして仕方ねーぜw」 フシギダネ「博士からもらったモンスターボール早速使ってみたらどうでしょー?」 マスター「ふむ・・・やってみるか」 トキワへいく道中に草むらがあったはず、さーて、萌えもんちゃんはどこかなー? フシギダネ「マスターあっちあっち!」 マスター「ほんとだ!よーし、フシギダネ!ねむりごなだ!」 フシギダネ「えーい!」 え、なんでフシギダネのレベルがねむりごなを覚えるまで上がってるかって? そりゃあんた、訓 練 の た ま も の で す よ 。 ・ ・ ・ マスター「思ったより簡単に捕まったな。」 フシギダネ「ですねー」 ここで捕まえたのはコラッタとポッポ。 ちなみにこの2人は後で逃がしてやった。 だって誘拐してるみたいじゃん・・・ フシギダネ「ばいばーい」 コラッタ ポッポ「逃がしてくれてありがとー。じゃーねー」 マスター「もう捕まるんじゃないぞー」 しかしこの調子だと、主戦力がフシギダネたんのみということになってしまう。 まぁ今の内は大丈夫そうだがな。 マスター「さて、この辺に出てくる萌えもんは皆捕まえたわけだ。 さっさとトキワシティへいくぞ。」 フシギダネ「はーい」 ・ ・ ・ そんなわけでトキワシティにあっさりと到着。 さて、酔っ払いじじいはどうなってることか・・・ フシギダネ「あ、立ち上がってます」 マスター「おーやっと目が覚めたみたいだな。」 やれやれ・・・やっと目を覚ました。 ようやく向こうの道に行けそうだぜ。 せっかくだし、素面に戻ったじじいに文句言ってやろうか。 マスター「やっと目が覚めたみたいですね。」 じじい「あんた誰じゃい?」 マスター「あなたに引き止められて向こうにいけなかったものです。」 じじい「おー、そうなのか? そりゃすまんことしたのぅ・・・ うーん・・・酔っ払ってたみたいじゃ!」 素面だと結構まともなようだ。 酒癖の悪さ(絡み酒)はトップクラスだが。 じじい「おや?その赤い箱はなんじゃ?」 マスター「これのことですか? これは萌えもん図鑑です。中身はまだフシギダネやポッポ、コラッタぐらいですが」 じじい「ほっほう!萌えもん図鑑つくっとるか なら、わしからアドバイスじゃ! 萌えもんを捕まえて調べれば自動的にページが増えていくんじゃよ!」 そりゃオーキド博士から既に聞いてるって・・・ じじい「なんじゃー、捕まえ方をしらんのか!」 いや・・・あの知ってるんだけど・・・ じじい「では・・・わしがお手本をみせてやるかな!」 そういうとどこからともなく野生の萌えもんがあらわれた。 うはwwwちっこくてかわいいなおいw 早速図鑑を確認してみる。 ほうほう、ビードルという名前なのか。 名前、容姿のこと以外はさっぱり分からんが。 じじい「そぉれ!」 と、じいさんはモンスターボールをビードルめがけ投球。 見事に捕獲。体力減らしてないのに一発で成功とはやるじゃん。 じじい「どうじゃ!すこしは役に立ったじゃろう?」 いや・・・微塵も役にたってないです・・・ じじい「後はこれをもっていけ」 おお、なんかテレビみたいなのもらった。 これは野宿中の暇つぶしになりそうだ。 とりあえずニコ〇バイル見れるように設定しとこうっと。 じじい「わからんことがあればそれを見てみると良いじゃろう。 萌えもんトレーナーの基本を知ることが出来るぞ!」 マスター「ご親切にどうも。」 フシギダネ「ありがとうございます!」 じじい「がんばるんじゃぞー」 どうやら、初心者救済用アイテムのようだが あいにく俺はそんなことに使う気はない。 じじいには悪いが、別の用途にありがたく使わせてもらうとしようw マスター「やれやれ、やっと向こうにいけるな。」 フシギダネ「ですねー」 マスター「ん?そういや脇にも道がなかったか?」 フシギダネ「そういえば、こっちとは別にわき道がありましたねー」 マスター「うーん・・・いってみるか」 そんなわけで脇の道をいってみる。 一本道ならいいがわき道があると正しい道に進んだとき、 強制イベントでしばらく行けない可能性があるしな。 行ってみると草むらを通った後にやけに綺麗な道路があった。 マスター「なんだここ・・・?」 フシギダネ「向こうにおっきな建物がありますねー」 マスター「何があるのやら。」 というわけでフシギダネたんと向こうに行ってみることにした。 まさかこの行動が大きな後悔を招くことにになるとは・・・ シゲル「よう!」 ま た お ま え か ! 会いたくないなぁと思ってる相手に限って現れるってのはほんとだな! シゲル「萌えもんリーグにいくのか?やめとけ! おまえどうせバッジもってねーだろ? 見張りのおっさんが通してくれねーよ!」 マスター フシギダネ「バッジ?」 シゲル「なんだおめーらバッジ知らないのか? カントー各地にある萌えもんジムにいるジムリーダー倒すともらえるんだよ。 もっとも、このトキワシティにあるジムはリーダー不在で閉鎖中だがな」 つまり、六つの●貨みたいなもんか。 なんか図鑑とは別にめんどくさいイベントらしきものがでてきたぞ・・・ マスター「そりゃ親切にどーも。んじゃ俺はこれで・・・」 シゲル「・・・それよりさあ! お前の萌えもん、少しは強くなったかよ?」 ライバルの シゲルが しょうぶを しかけてきた! マスター「KYの シゲルが しょうぶを しかけてきた!」 フシギダネ「マスター!本音がでてます!」 シゲル「?・・・いーからさっさと萌えもんだせよ!」 マスター「はぁ・・・いけ!フシギダネ」 フシギダネ「はい!」 相手はポッポをくりだしてきた。 このやろう、フシギダネたんの苦手な属性の萌えもんをくりだしやがった。 案外ずるがしこいのかもしれない。だが・・・ マスター「フシギダネ!ねむりごなかけてやれ!」 フシギダネ「えーい!」 ポッポ「zzz...」 すまんなシゲル。俺もずるがしこいんだw 訓練でレベルアップしたフシギダネたんの敵ではないわ! シゲル「あー!お前せこいぞ!」 マスター「ははは、戦略の一つだぜシゲル君w」 シゲル「ちっ・・・ポッポ!早く起きるんだ!」 ポッポ「zzz...」 シゲル「くそっ!」 マスター「今だ!たいあたりをぶちかましてやれ!」 フシギダネ「ごめんね・・・えいっ!」 どかっ! おー、音も大きくなって 目に見えて威力も上がってるな。 まさに訓練のたまものっすねwww いかん、訓練を思い出したらなんか変な感情が・・・ 落ち着け俺。KOOLになれ、KOOL!KOOL!KOOL! ポッポ「ううー・・・」 ポッポは倒れた! シゲル「・・・いけ!ヒトカゲ!」 さぁさぁ、相手はヒトカゲを繰り出してきた。 実力差があるとはいえ、相手はほのおを使ってくるわけだ。 戦略的にどう攻めてやるか・・・ ねむりごなで眠らせても倒す前に目覚めてしまうだろう。 マスター「うかつに攻め込むとやばいな...」 シゲル「ふふん!どーする?」 ・・・ん?そういえばやどり木のたねって技を覚えたが使ってなかったな。、 説明を見る限り長期戦専用といったところか、いちかばちか、こいつにかけてみるとしようか。 マスター「フシギダネ!まずはねむりごなで相手をねむらせろ!」 フシギダネ「このー!」 ヒトカゲ「・・・zzz」 シゲル「ふん・・・今度はさっきのようにはいかないぜ! ヒトカゲはポッポに比べて体力もあるんだからな!」 ヒトカゲはぐうぐうねむっている! マスター「よし!次はヤドリギのタネだ!」 フシギダネ「おりゃー!」 シゲル「なに?!」 おお、タネからツタがでてきて相手に絡まりだした。 エwwwwwwwwロwwwwwwwwwwwwスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ヤドリギのタネが あいてから たいりょくを すいとる! なんと、敵から体力を奪い始めたではないか! しかも相手は眠っていて手も足も出ない。 これに体当たりを上乗せすれば倍率ドン! なんという反則技。 フシギダネ「力が湧いてきます!」 マスター「よし!たいあたりをきめてやれ!」 どーん! きゅうしょにあたった! ヒトカゲはたおれた! なんだ、この誤解を招く表現は・・・ 興奮せざるをえないではないか!ハァハァ ヒトカゲ「あううー・・・」 ははは、ヒトカゲもイッてしまったようだな。 誤解を招く?いいえ、ケフィアです。 シゲル「あーッ!こいつ、なめたマネを!」 ざまあwwww 賞金256円ゲットwww シゲル「ちっ・・・また負けちまった。 どうやら萌えもんリーグには 強くてすごいトレーナーがウジャウジャいるらしいぜ どうにかしてあそこを通り抜ける方法を考えなきゃな! お前もいつまでもここらにいないでとっとと先に進めよ!」 そう言ってシゲルはどっかにいってしまった。 負けたのが悔しかったのかばつが悪そうだった。 シゲル涙目wwwくやしいのうwwwくやしいのうwwww それにしても萌えもんリーグ・・・ 強いやつがウジャウジャいるのか。 また見えない力で行くはめになるんだろうが、 それはまた先の話だろう。 マスター「よしよし、よく頑張ったな、フシギダネ」 フシギダネ「・・・」 マスター「・・・?フシギダネどうしたんだ?」 フシギダネ「マスター・・・なんだか体が・・」 おや・・・フシギダネのようすが? うおわ!体がいきなり光りだした! おおお、頭のタネがちょっと咲いた! ついでに体も一回り成長したぞ! これなんて急成長?うはwwwwwwかわいいのうwwwwww フシギソウ「これって・・・ やった!マスター!私進化しました!」 マスター「進化とな?」 フシギソウ「萌えもんは成長を重ねると進化するんですよ? 今の戦いで私の体がレベルアップしたんです!」 成長すると技が増えるだけでなく形態も変化するってことか・・・ うーむ、萌えもんの神秘! 進化して頭がちょっぴり咲いたわけだが、 てことは満開になるとどうなるんだろうな? これまた楽しみが増えた!ぐふふ・・・ マスター「えっと・・・名前は・・・フシギソウっていうのか。」 フシギソウ「はい!これからもよろしくお願いします!」 マスター「ああ・・ヨロシクナ・・フフフ」 フシギソウ「マ・・・マスター?」 楽しみが増えたよママン。 続く....
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ジョーイさん「おまちどうさまでした! おあずかりした萌えもんはみんな元気になりましたよ!」 ラッキー「またのご利用をお待ちしてます!」 トレーナー「ども」 私はラッキー。 とある萌えもんセンターでジョーイさんのお手伝いをしているしがない萌えもんです。 最近この仕事にもようやく慣れ始め、やりがいを感じるようになりました。 傷ついた萌えもん達を見るのは心苦しいですが、 彼女達の傷を癒せる唯一の仕事なので、頑張ります。 ジョーイさん「ラッキー、後10分ぐらいで休憩するわよ。」 ラッキー「はーい」 さぁ、もう一踏ん張りです。 ジョーイさん「ようこそ!萌えもんセンターへ。」 ラッキー「あ!いらっしゃいませ!」 マスター「えーっと、おまいら全員ボールに入ったな? よしよし、じゃぁおねげーします。」 ジョーイさん「それではおあずかりいたします!」 ラッキー「わー、皆強そうだなぁ・・・」 ギャラドス「強そうじゃなくて本当に強いんだぜ?」 ラッキー「すごいですねー」 最近回復中の萌えもん達と会話をするのがひそかなマイブームです。 この中にいる萌えもん達は きっと数多の戦いをくぐり抜けてきたんだろうなぁ・・・ 何人もの萌えもん達を見てくるとなんとなく分かるようになります。 ラッキー「貴方達のトレーナーってどんな人なんですか?」 ライチュウ「変態。」 ラッキー「・・・え?」 フーディン「迂闊に話しかけないのが懸命です。ご注意を」 ラッキー「う・・・うん、分かった。」 キュウコン「絡んできたら、そのお腹にある爆弾を投げつけなさい」 ラッキー「これは爆弾じゃなくて卵ですよぅ・・・(爆弾もあるけど)」 フシギバナ「(みんな言いたい放題だなぁ・・・グスン)」 ギャラドス「あ゛~~~この傷が癒える瞬間がたまんねぇなーっ」 ライチュウ「ギャラドスおっさんくさーい」 ギャラドス「うるせぇw」 フリーザー「zzz」 ふふ、面白い人たちだなぁ。 それにしてもここまで蔑まされてるトレーナーさん初めてみた・・・ うーん、悪い人には見えないんだけどなぁ。 マスター「僕の心の傷も癒してください」 ジョーイさん「ムリです。」 マスター「(´・ω・`)」 ジョーイさん「そんな顔してもダメです。」 や・・・やっぱり変な人なのかな? ラッキー「そろそろ終わりますよー」 ギャラドス「最近、回復終わるの早くなったよなー」 ラッキー「日々進歩してますから。えっへん」 フシギバナ「いつもご苦労様です」 ラッキー「いえいえ。」 といっても、機械の手入れをする人は別にいるんですけどね。 自分勝手かもしれないけど、回復が早くなったのは私的にちょっぴり寂しいです。 でもそんなこと言ったら、萌えもんセンタースタッフとして失格だよね。 マスター「ねぇねぇ、一つ聞いていいかな?」 ラッキー「はい、なんでしょう?」 マスター「あのさ、卵生む時ってさ、やっぱり気持ちいいの?w」 ラッキー「え・・・えぇ!?」 マスター「いや、気になるというか何と言うかまぁ教えてください。やましいことはありません」 ラッキー「あの・・・えっと、その・・ちょっと痛いというか、確かにきもちいいというかゴニョゴニョ・・・」 マスター「んん~?後半が良く聞こえなかったなぁー?もう一度言ってくれー」 ラッキー「あぅぅ・・その・・・きもちいい・・・です。」 マスター「おらなんだかわくわくしてきたぞ」 ラッキー「か・・・からかわないでください!」 マスター「萌えを追求してるだけです。決してからかってません。違うよ。全然違うよ。」 うう・・・恥ずかしい。 こういうのってセクハラって言うんだよね・・・ 初めてされちゃった。 マスター「たまご生むところを是非見せてください」 ラッキー「む・・・ムリです!」 マスター「たまごうみという立派な技があるじゃないか!」 ラッキー「それでも無理です!」 マスター「どーして?」 ラッキー「だ・・・だって、そんなこと聞かれた後だと・・・」 マスター「どんなこと?www」 ラッキー「同じこと言わせないでくださいぃ・・・!」 マスター「パードゥン?」 ライチュウ「えいっ!」 マスター「うおっまぶしっ!」 ジョーイさん「おまちどうさまでした!おあずかりした萌えもんはみんな元気になりましたよ! みんな元気になりましたよ!またのご利用をお待ちしています!」 マスター「目が見えねぇでござる><」 ライチュウ「あっ!」 キュウコン「そっちにいっちゃだめよ。」 マスター「あち!あちぃ!」 フリーザー「・・・#」 マスター「ち・・・ちべたい!」 皆さん自分のトレーナーを容赦なく攻撃してます。 い・・・いいのかなぁ? ラッキー「あ、あのもうそのくらいで・・・」 ギャラドス「今、声を出したらだめだ!」 ラッキー「え!?」 マスター「そこにいるんだね!君の胸に飛び込ませておくれ!」 ラッキー「きゃあ!」 や、やだ・・・変なところ触らないでぇ・・・ マスター「甘くてクリーミー、私はきっと特別なそんz」 フーディン「マスター、やりすぎです」 マスター「あぉぉー!」 私に抱きついてきたトレーナーさんは変な声を上げてその場に倒れこんでしまいました。 きっと超能力にやられたんです。 フシギバナ「ごめんなさい!大丈夫?」 ラッキー「へ・・・平気です。グスッ」 私もうお嫁にいけないのかな・・・ マスター「俺がもら、たわばぁ!」 ギャラドス「お前は黙ってろ」 フーディン「それでは、失礼します。」 ギャラドス「本当に失礼しちまったな。」 ライチュウ「洒落になんないわよ・・・」 フシギバナ「もう・・・」 フリーザー「・・・(ペコリ)」 マスター「我が生涯に幾辺の悔いありぃぃいいいいい!」 ・ ・ ・ ジョーイさん「いい、ラッキー。ああいうお客さんが来たら今度から このたまご爆弾(カプサイシン含)を投げるようにしなさい」 ラッキー「はい。」 今日の事はしっかり心に刻み込んでおかなきゃ。 いっぱい落ち込むこともあるけど、私はこの仕事が大好きです。
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公開戦から三日後。 午前中の勤務が終わり、たまには萌えもんセンターの食堂ばかりでなくレストランでも探してみようということになり、 俺達が萌えもんセンターを出ると。 「あーちっくしょう!また負けた!」 聞き覚えのある声。あの少年だった。 また挑んで返り討ちにあったらしい。どうせ公開戦のときと同じパターンだったんだろう。 「大体あの時、こいつらがしっかり言うこと聞いてりゃ楽勝だったのによ!」 何が楽勝だ、聞いて呆れる。そもそもろくな指示を出していなかった。 子供であろうと大人であろうと、トレーナーである以上はトレーナーとしての責任があり、 こいつの頭からそれが欠如しているのは明らかだった。 「マスター、どうします?」 「今目の前で虐待があってるわけじゃない。今行っても言い逃れられるかもしれない」 しかし、このままでは1週間前と同じことになる。どうしたものか… 状況を打破したのは、少年をこてんぱんにしただろう張本人だった。 「ちょっと、キミ!」 あ、さすがに出歩くときは水着じゃないんですね。お兄さんがっかr…いや安心しました。 袖なしシャツに短パンというこれまた動きやすそうな服装の、カスミが少年を呼び止めた。 「んだようっせーな。まだなんか用かよ」 「あいにくだけど、キミのうちのジムへの挑戦はこれから先一ヶ月ほど断らせてもらうわ。 ここ5回ほどやってるけど、全く進歩が見られない。やるだけ時間の無駄と判断したの」 唐突のお断り宣言に、少年が(本人にとっては当然納得行かない)食って掛かる。 「んだよそれ!?勝ち逃げする気か!?まさか負けるのがこえーんじゃねえだろうな!」 「馬鹿にしてるの?あなたの100倍以上は萌えもんバトルをしてきたし、少なくともあなたの十倍以上は負けたこともある。 あなたはそもそもジムに挑戦できるだけの実力が無いわ。萌えもんじゃなく、あなたにね」 街の人の評判どおり、言いたいことははっきり言うタイプのようだ。そして、ジムリーダーとしての目も確か。 自分とさほど歳の変わらない少女にここまで言いたい放題言われて、頭にこない少年はいないだろう。 その少年も例外ではなく、口で負けた者の当然の反応として腕を振り上げ。 「待て。男の子が女の子を殴るのは良くないな」 駆け寄り、その手をつかむ。 「んだ、てめー!はなせよ!」 少年は暴れるが、たかが子供が暴れたくらいで押し負けるはずもなく。 逆に軽く捻って押さえ込む。 「悔しいのは分かるが、全面的に君が悪いだろう。 公開戦を見せてもらったが、三人が三人とも同じパターンで倒されていた。 初挑戦だったならまだしも、そうじゃなかったんじゃないか?」 「内容なら初挑戦の時と一緒、回数ならあれで4回目ね」 少年の代わりにうんざりした様子でカスミが答える。 「てめーにかんけーねーだろ!」 「そうだな。君のトレーナーとしての力量など俺の知ったことじゃない。 …君に、聞きたいことがある」 町のど真ん中で起きている騒ぎに、人々が集まってきているようだ。 かまわず続ける。 「一週間前の丁度今頃、君はハナダの岬の先端付近で、自分の萌えもんに何をしていた?」 唐突に出てきた具体的な条件に、カスミをはじめその場の誰もがぽかんとなる。 ───少年を除いて。だが、反省している様子はない。 「何してようと俺の勝手じゃねーか!」 「そうだな、君の勝手だ。 だが、それがやましい事でなければ平気で答えられるだろう?」 俺の切り返しに少年が言葉に詰まる。 「代わりに言ってやろうか。 君は、ハナダの岬で、自分の萌えもんを容赦なく蹴り付けていた」 少年の目に憎悪のようなものが宿る。周りのざわつきはますますひどくなる。 カスミが顔色を変えて問いただす。 「キミ。それは本当なの?もしそうなら、あなたにトレーナーの資格は無いわよ」 「どいつもこいつもごちゃごちゃうるせえ!!俺のもんなんだから俺がどうしようと勝手だろうが! 大体てめぇ、いきなり現れてでたらめいってんじゃねーぞ!」 「具体的に場所と日時を言ってるんだ、でたらめでもなんでもないただの事実だ。 俺の連れていた萌えもんも見ているしな」 言葉と同時にヒトカゲが(勝手に)出てきて、少年を指差して訴える。 「あたしも見たもん!こーんなちっちゃい子、蹴っ飛ばしてるの!」 「……!チビが調子に乗りやがって…!」 いきなり少年が足を振り上げる、その先にはヒトカゲ。 とっさに腕をきつくねじり、動きを封じる。 「いででででで!」 「この子は俺の萌えもんだ、お前の萌えもんじゃない。 自分に都合の悪いことを言えば他人の萌えもんでも蹴ろうとするやつが、自分の萌えもんを蹴ってないと言い張るのか?」 少年は自分の行動で、どんどん自分を追い込んでいく。 押し黙って、観念したかに見えたとき。 「ご、ご主人を、いじめないで・・・」 弱弱しい声で、俺と少年の足の間に割って入ったのは。 いつの間に出たのか、少年の三人の萌えもんだった。 「ほ、ほらみろ!こいつらだって、俺の事庇うじゃないか!」 いきなり勝ち誇りだした少年を無視し、俺は一人の萌えもんに目を合わせる。 ……何度か俺が治療した萌えもん、ラルトスに。 「よう。また会ったな。 …まさか、こんな風に会うなんてな」 いきなりラルトスに話しかけた俺に、少年が食って掛かる。 「な、なんだよてめー!なに人の萌えもんに勝手に…」 「ちょっと黙ってろ。後いい加減言葉遣いを直せ」 強い口調で黙らせる。 「あ、あの……」 「どうして、言えなかったのかな?言ったら、後が怖かった?」 それまでの俺との口調の変化に、少年もカスミも、周りも戸惑っている。 「……」 沈黙。それは俺の言葉の正しさと、少年の手前そうと口に出来ないラルトスの心情とを雄弁に表していて。 「もっと早くに言ってくれたなら、痛い思いも哀しい思いもさせずに済んだのに。 信じられなかったかい?」 再び沈黙。これほどおとなしい子なのに、人間不信に追いやったのは間違いなくこの少年のせいだ。 「可哀想に。怖かったな。痛かったな……」 ゆっくりと頭を撫でる。傷に触れないよう、気をつけて。 優しくされたのが初めてだったのか。労わられることが、心に沁みたのか。 「……っ。ぐすっ……」 声を上げることは無く、だが紛れも無く、彼女は涙を流して泣いていた。 しばらく頭を撫でつづける。泣き止むまで。 「てめぇ、一体なんなんだよ…」 空気に呑まれたか、少年の言葉に勢いが無い。 俺は無視してカスミに向きなおる。 「カスミちゃん…だっけ」 「え…はい」 「ええと、こほん」 少し緊張したが、一呼吸置いて一気に言い切る。 「ハナダジムリーダー、カスミ様。 この度、萌えもんに対する過度の暴行を加えるトレーナーを確認、摘発するものであります。 被害を被った萌えもんは、ラルトス。 腹部、左大腿部、上背部、及び鎖骨周辺に明らかに萌えもんバトル以外の原因による打撲の痕が見られます。 また、同トレーナーの手持ち萌えもんであるヒマナッツ、ブルーにも同じ痕が見られる可能性があります。 加害トレーナーは───」 つかんでいた腕を引っ張り、カスミの前に改めて引きずり出す。 「───この少年です」 引きずり出された少年も、摘発を受けたカスミも、周りの人々も何一つ言葉を発することが出来ない。 「はじめに言っておいたほうが良かったか? 俺は萌えもんセンターの職員なんだ。この子の手当ても何度かした。 治療の度に何処かしらに痣が増えていくんだからな、気付かない方がおかしい」 更なる衝撃にカスミも少年も呆然としている。 辛うじて少年が言い返す。 「そ、それは……萌えもんバトルの傷だろ!」 「専門家を舐めるなよ。どれだけ治療してきたと思ってる。 萌えもんバトルの傷かそうでないかなんて一発で分かる。そもそも普通の薬じゃそういう怪我は治せないからな。 それに人の怪我と同じくらいに治るのに時間が掛かるんだ。 体の傷も、自分のトレーナーに傷つけられたという、心の傷も」 とうとう言葉を失った少年。 我に返ったカスミが少年に宣告する。 「キミ。トレーナー証明証を出して。 萌えもんセンターからの告発を元に、あなたのトレーナー資格を剥奪します」 一連の騒動に、決着が着いた。 「ふう、大騒ぎだったな」 あの後カスミに要求されて、萌えもんセンターで改めて摘発状を書いていた。 さっき読みあげたのもほぼ摘発状の文面だ。要るんじゃないかと思って眺めているうちに形式を半ば暗記してしまった。 この書類を書き上げた後、ジムリーダーのカスミの所へ持っていけば少年はトレーナーではなくなり。 あの三人の萌えもんは解放されることになる。 結局三人ともに暴力の後が見られ、摘発は受理されることになっているからだ。 三人の中ではラルトスが一番怪我の程度がひどく、医療装置で治療を受けている。 ヒマナッツ、ブルーの二人は先ほど他の職員が手当てを済ませ、ボールに入った状態でカスミの管理下に置いてきているはずだ。 「お疲れ様でした、マスター」 「かっこよかったよー!」 「ありがとな、二人とも。 ……やべ、あいつの名前知らんぞ」 正式の書類に少年Aなどと書いて通るはずも無い。カスミに確認するべく萌えもんセンターを出たとき、 「こら!待ちなさい!」 ただならぬ雰囲気でカスミが駆けてゆく、その視線の先には先ほどの少年。 「マスター!」 「分かってる、なんか大体つかめた……。しょうがない、追うぞ!」 「はい!」 二人の駆けて行った先、ハナダの岬へと向かう道を、俺達も走り出した。 二人に追いついたのは、丁度ハナダの岬だった。 俺がラルトスへの暴行を目撃した所。 日が傾き始め、ほんのり茜色を示しつつある空の下、カスミの元へ追いつく」 「はぁ…はぁ…あ、あなたは…」 「萌えもんセンター勤務の、ヒロキだ。事情はなんとなく、分かるけど、説明頼む」 「はぁ…はい」 俺が見当つけたとおり、隙を付いて職員が置いていったヒマナッツとブルーのボールを強奪して逃げたらしい。 「やれやれ…懲りてないな」 こんなマネをすればますます立場が悪くなることくらい分からないのか。 少年が怒鳴る。 「俺は、島で一番強かったんだぞ!ジムなんぞ楽勝のはずなんだよ! さっさと負けてバッチよこせよ!おかしいだろ!」 その無茶苦茶な言い分にカスミが言い返す。 「島で一番?どこの島だか知らないし、知りたくも無いけど。 そんなもの自慢にも何にもならないわよ。現にあんたはアタシに連敗してるんだから。 島で一番でそれなら、あんたが一番でいられた島ってのが相当レベル低いだけでしょ!」 自分から言い出しておいてカスミの反論にキレたらしい。 「好き放題言いやがって…! ヒマナッツ、ブルー、出て来い!あの生意気なのをぶっ飛ばせ!」 治療が済んだばかりの二人を出す。 二人の目が申し訳なさそうなのがなおさら哀れだ。 「一人相手に二人同時に出すってのはルール違反だろ」 「うるせぇよ!てめえもついでにぶちのめす!」 完全に頭に血が上ってるんだろう。口で言っても時間の無駄か。 「二匹がかりでも結果は同じよ!お願い、ヒトデマン!」 「おっけー」 カスミも売り言葉に買い言葉なノリで迎撃する態勢。 「当初の目的と違ってないか?…まぁ、見過ごすわけには行かないな。 頼んだぞ、ヒトカゲ」 「おっまかせー!」 少年のヒマナッツ、ブルーに対し、こちらはカスミのヒトデマンと俺のヒトカゲでの2on2形式になる。 「ヒマナッツ、メガドレイン!ブルー、体当たり!あの女に痛い目見せろ!」 少年の乱暴な指示に従い、二人が突っ込んでくる。 ブルーの方は直線的に加速し。ヒマナッツは大きく跳びながら相手の体力を奪い取る浅緑の力の珠を生み出した。 少年のほうはともかく、この二人のLvは決して低くは無い。どちらも食らえば笑ってはいられまい。 「ヒトデマン、リフレクター!」 「りょーかーい」 カスミの指示にヒトデマンがのんびりと返事を返し、だが行動は迅速で。 ヒトデマンの張った物理攻撃を遮断する障壁がブルーの攻撃を妨げる。 だが、リフレクターではヒマナッツの攻撃が防げない。 受ければよりダメージが大きいのはメガドレインの方、だが敢えて光の壁を選ばなかった。 「ヒトカゲ、火の粉だ!あれを撃たせるな!」 「うん!」 俺のヒトカゲに期待してくれたのだろう。それに応えなくては。 ヒトカゲが口から紅蓮の飛礫を吐き出す。 小さいながらも紅々と燃えるそれは空中で攻撃態勢に入っていたヒマナッツを直撃した。 「熱、あつつつ!」 無防備なところに弱点攻撃を受け、火傷の追加まで受けてあたりを転がるヒマナッツ。 ごめんよ、後でしっかり手当てするからね。 「何やってやがる、てめえら!だったらまずあの赤いのから先に片付けろ! ブルー、噛みつけ!ヒマナッツ、メガドレイン!」 ヒマナッツは他にこれといった攻撃技がないのだろう、先ほどと同じ動きで同じ攻撃を用意している。 ブルーの方も、仕掛ける攻撃は違ってもそれまでの工程が全く同じだ。 仕掛けるまでの動きをどう指示するかはトレーナーの腕の見せ所であり、見所でもある。 この2ターンを見ても少年の腕が惨憺たるものなのは明らかだ。 「ヒトカゲ、後方に跳びつつ火の粉をヒマナッツに!」 俺の指示通り、ヒトカゲは後方へと跳ぶ。 最高点に来る手前あたりで火の粉を吐き出し、全く同じパターンでヒマナッツを戦闘不能へ追いやった。 「きゃあぁぁ・・・」 その場に落ちて目を回すヒマナッツ。少年に労わる様子は無い。 攻撃が終わり、空中で無防備な状態のヒトカゲに向かってブルーが飛び掛ってくる。 しかし、他者への攻撃のさなか、それも空中というのは格好の的であり。 「ヒトデマン、水の波動!」 「はいはーい」 カスミのヒトデマンがたたき付ける水の波動で、ブルーは横へ大きく飛ばされる。 ヒトカゲにはかすらせもしないあたりは、さすがジムリーダーの萌えもんだ。 「ち…ちくしょう……ちくしょう! ブルー、どっちかでも倒さねえとタダじゃおかねえぞ!」 少年の声にブルーが一瞬身を震わせる。おそらくは恐怖から。 破れかぶれにつっこんでくる、手近にいたヒトカゲ目掛けて。 「ヒトカゲ、メタルクロー。…やりすぎないでくれ」 「うん…頑張ってみる」 もう体力も残り少ないだろうブルーに、全力で技をぶつける必要は無い。 何の技を使うかの指示すらなかったブルーは、ほとんど手を振り回すだけのようなメタルクローでも力尽きる。 あっさりと返り討ちに遭った少年は、 「こ、の…役立たず共が!」 この後に及んで言語道断なことを喚いてヒマナッツをけりつけようとする。 すぐに駆け寄り胸倉をつかみ上げる。 「萌えもんセンター職員の前で萌えもんに暴力とは、いい度胸してるな」 「は、離せ、離せよ!」 少年の半ば悲鳴じみた声を無視し、ゆっくりと見せ付けるように拳を固める。 わざとらしく息を吹きかけ、大きく振りかぶると、カスミが目を瞑るのが視界の端に見えた。 かまわずそれを少年の顔面目掛けて─── ───叩き込む寸前で止める。 思わず目を瞑っていた少年が恐る恐る目を開け、本当に紙一重の位置で止まっている俺の拳に震え上がる。 「何故、寸止めで止めたのか、分かるか?」 「………」 俺の問いにふるふると首を横に振る。 「ゆっくり俺の足元を見てみろ」 言われたとおりに少年が、そして目を開けていたカスミが目をやると。 俺の両足に、倒されたヒマナッツとブルーがまとわり付いて、傷付いた体でそれでも少年を守ろうと俺の足に組み付いていた。 「この子たちにとっては、お前みたいなろくでもない奴でもトレーナーなんだよ。 …この子らはお前に捕まえられた。だから、お前に期待するしかなかった。 それなのに、お前は今まで裏切り続けてきた。 まずは償って、それから、萌えもんに心からなつかれるようなトレーナーになれ。 まだ、やり直せるから」 言うだけ言って、手を離す。その場に少年はへたり込んだ。 カスミが近寄ってきた。 「お手数をおかけしました。……強いですね」 「ジムリーダーに褒められるなんてね」 「うふふふ…」 なにやらくすぐったい。ヒトカゲもそうなのか、なんだか可愛らしく笑っている。 と。 「あ…あれ…?」 ヒトカゲの様子が変わる。 「どうした、ヒトカゲ?」 「あ…あ…」 呆然と立ち尽くしたかと思うと。 その姿が、眩い光に包まれる。 「まさか…!」 「進化か!」 そう、今の戦いで条件が満たされ、進化が始まったのだ。 唐突に起こった進化は唐突におわり、ヒトカゲ───進化を終え、リザードが姿を現す。 「えと…あれ?これが、進化?」 本人はよくわからないといった顔をしている。 「進化、おめでとう。大きくなったなぁ」 リーフィアの半分ほどしかなかった身長は、今はリーフィアと同じ、ひょっとすると一回り大きいくらいまで伸びていた。 「ありがと、ご主人様!」 満面の笑顔でお礼を言う。進化してもその花が咲くような笑顔は変わらない。 頭を撫でてやりつつカスミに向き直る。 「そういや、最初の用を忘れるところだった」 「え?」 「こいつの名前を知らなかったから、書類が書き上げられなくて。 で、ジムに確認に行こうとしたら、こういうことに」 「なるほど。アタシも預かった証明書を良く見てないから、すぐに思い出せないです。 ジムまで来てもらってもいいですか?」 「わかった。どのみち萌えもんセンターとジムはほとんど隣り合わせだしな」 ヒマナッツとブルーをボールに戻し、そのボールを持って歩き出そうとして、ふと立ち止まる。 「…もうすっかり夕方だな」 「あ…ほんとですね」 岬の先端近くに来ると、日が沈むさまが良く見えた。 空も、海も、俺も、カスミも、沈みゆく陽に照らされて、茜色に染まっている。 「きれいですね…」 「これはすごいな…」 リザードも含めて三人でしばらく魅入る。出来るならリーフィアにも見せてあげたい。 空の茜に夜の藍が混じり始める頃、ようやく俺達は少年を連れてジムへと戻っていった。 ───カスミにとって、この日はちょっとだけ、特別な日になった。 密かにずっと憧れていた、ハナダの岬。 そこで、異性と並んで沈む夕陽を眺めた、初めての日に。 続く あとがき 前編で巻いたフラグを回収しきらないうちに新たなフラグ撒いたみたいになりました。 別段カスミ→ヒロキなつもりはありません。そう見えると思うんだけど。 あとヒロキ大活躍。やたら大人気ないのは筆者が大人じゃない(主に精神面で)せい。 とうとうヒトカゲ→リザードに進化。多分これでハナダ編での彼女の出番は終わり。ごめんよごめんよ。 カスミのヒトデマンの技とかは一応ちゃんと調べてます。 あとカスミのヒロキに対する言葉遣いが微妙。別に何か意識してるんじゃなくて、年上の人に対して敬語を使うってのと 歳的に使い慣れなくてあちこち変ってのをミックスなイメージです。 トレーナー資格とか証明証ってのは、証明証を交付されてるってのが資格で、証明証の没収がすなわち資格剥奪になります。 ジムに申し出る形にしてるのは、まあ公的な資格というか認定などやってる施設なので。 実力の認定やってるなら問題児の資格剥奪もやってていいかなーと。 摘発状とやらは超適当です、あとラルトスの痣の位置も名称は適当です。体中あちこちに虐待の痕があるんだと認識してもらえれば。 ちなみに資格(証明証)がないと萌えもんセンターの利用ができません。あと萌えもんバトルも禁止されます。 剥奪される条件は基本的に悪いことしたら、ですね。年齢制限とかはなし。だからじいちゃんトレーナーとか普通にいるんですよ。 交付条件も特に決めてないです。欲しいと言ったら名前と番号書かれたカードを萌えもんセンターで作ってもらうかんじ。 そこで登録されてカントー中の萌えもんセンターでデータ共有するので、取り上げられたら返してもらうしかないことになってます。 それと今回トレーナー資格剥奪になった少年は資格剥奪で萌えもん没収なのではなく、虐待したから没収ってことになってます。 トレーナーじゃなくても萌えもんと暮らす人一杯いますからね。 今回もgdgd言い訳かいてたらあとがきなげぇorz こんなだらだらな長文読んでくださる皆様には本当に頭が上がりません。 ここまでお付き合いいただいた皆様に、最上級の感謝を。